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東日本大震災・避難する時

藤原 和詮  いわき市平

 当日、私は大熊町第一原発のすぐ近くで車に乗っていた時に、大地震がドーンと来たのです。目の前で道路にヒビが入り割れて行った。同時に急に空気が歪んで見えたのです。誰にも想像がつかないほど、自分が別世界で、映画を見ているような、現実とは信じられない思いでハンドルにしがみついていたのです。すぐ我に帰り、自宅で母が一人でいたので、無事であってほしい、その思い一心で帰路につきました。途中道路が寸断、回り道を繰り返し、日常の数倍の時間がかかり、歯がゆい思いでした。隣近所の人たちと一緒に庭に避難しているのを確認し安心しました。津波のことは一切頭の中にありませんでした。

  翌日、川内村に全町民緊急避難の広報無線があり、何も持たずに車2台に3家族10人で夜ノ森を10時に出発。やっとの思いで川内村へ着いたところ受け入れ拒否、船引町でも拒否、三春町交流館まほらにやっと受け入れてもらえたのが、午後5時過ぎでした。やっとの思いで、寝られる。休める。感無量でした。


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