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きき・しょんしょん・ねねこ・姫子へありがとう

ききねこ  福島県双葉郡富岡町

ききとしょんしょん...我が家のかわいい猫たちでした。

ききは川内村にて他避難者の声に驚き必死にとめようとした私の手を噛み切り逃げ出してしまいました。その後川内も全村避難となり探してもや
れず後悔ばかりの毎日です。

しょんしょんは以前から患っていた腎不全が悪化し避難先のさいたま市にて里親さんになる予定だったかたのお宅にて4月に亡くなりました。里親さんのご好意にて私たち家族も看取らせていただきました。安らかな顔でした。

ねねこと姫子はともに12歳。苦しいときも楽しいときもいつも一緒にいた我が家の犬。ねねこは3月14日 屋内避難指示が出たとき 外につないでおりました...中型犬で体育館には入れず せめてもと思い 車の中に避難させました...指示が解かれて息子が見に行ったときには...リードを首に絡ませ 虫の息でした。くぅーんと一声した後すぐに呼吸が途絶えたそうです。

混乱していたあの時期 埋葬さえ出来ませんでした。ごめんなさい...

ねねこ姫子は3月11日より動物病院に入院しておりました。12日何度も迎えに行きましたが...先生と行き違いになり...その後先生より連絡がありこの世にはもういない事がわかりました。先生は入院していた動物のために精一杯力を尽くしていただきました。姫子を見取っていただき感謝しています。

きき...何処に行ったの?私はずっと待っているのよ。忘れたことなんかない。

しょんしょん、ねねこ、姫子 助けてやれなくてごめんね。本当にごめんね。いまだに涙がとまらない。あと何十年かしたら私もそっちに行くからね。今度生まれ変わるときは原発の近くはやめようね。ごめんね...ごめんね...

3月11日で私の時計は止まったまま、のんびり犬や猫と暮らしていたささやかな私の幸せは贅沢だったのでしょうか...2011年3月10日に時計を戻したい。ききもしょんしょんもねねこも姫子も確かに生きていたあの日に...


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