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あの日から私は

鈴木 フヨ  埼玉県加須市

 三月十一日、愛犬サクラ(ゴールデンレトリバー 十五才)の体力が落ちて、残り三日かなと思い、畑の隅の耕しを済ませちょうど二時半過ぎ、テレビのスイッチを入れたその時、テレビの真ん中に地震速報と赤い文字でいつもより大きく出てびっくりました。あっと思って立つ間もなく、一人で立っていられないので、玄関の戸につかまり外を見ていました。愛犬サクラが横に、彼女も不安げに私を見て自分の事より私に気を使っているように見えました。それから、揺れがいったん収まり、いつもの部屋を見て愕然としました。落ちるものは落ち、飛べるようなものは皆ぶっ飛んでしまいました。余震が続く不安の中、次の日に非難すると思わずに、明日になれば何とかなるでしょう?と思い、十一時ごろ寝ました。目が覚めた途端、町から非難することになり、サクラに一言「サクラ サヨナラネ」それっきり会うことのできないつらさ、私は一人でいたので本当に悲しい限りで家を後にしました。母も病院に居ましたが一週間後無くなりました。

  あの日から私は、愛犬サクラ、母との別れが私自身薄情者だと今でも思い心に残ります。まだまだ、心も体も休息というものは無く、一日も早く本当の休息を望んでおります。  もう一度、安らぎを求めて、力いっぱい生きて行きます。


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