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震災当日、私は福島第一原発に

まりん  双葉郡大熊町

震災当日、私は福島第一原発にいました。

強く長い揺れに恐怖し、崩れた屋根と机の間に閉じ込められました。揺れが治まってからすぐ助け出されましたが、大きな余震が何度もあり、その日は原発構内に留まりました。

家族と連絡も取れず一睡も出来ないまま、早朝に放射線量計のアラーム音ではっとしました。外の放射線量が高まったのです。すぐに原発から避難するという指示が出されました。

私は疲労と緊張から立ちくらみを起こし、情けない事に妊婦さんの友人に支えられ、具合が悪いからとすぐにバスに乗せられました。

誰もが一刻も早く原発から逃げ出したかっただろうに、私は誰よりも先に原発から逃げ出したのです。本当に情けなくて、周りに顔向け出来ませんでした。

しかし、青い顔をしていた私に「これね、ポケットに入っていたの…」と一つの飴を差し出してくれた方がいました。その方の優しい笑顔はずっと忘れられません。本当に感謝しています。


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