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生き抜く

高野 匠美  郡山市昭和

 3月11日、全てが恐怖となった日。

富岡から遠くへ・・・
何がどうした?
どうなる?
そんな日々が続く。

気が付くと富岡には戻れない。主人は原発へ召集。私は一人となる。仕事もなくなり、家計は苦しくなる。週末だけ帰る主人とも衝突し夫婦仲も険悪。不安感情での言い争い。人が追い込まれると相手への配慮がなくなる。

原発がすべてを崩壊に導き、人の人生を狂わせた。私たち富岡住民は原発が生活だったといえる。苦しい。反省と悔いが残る。でも諦めたくない「命」は前に進むものだから、絶対あきらめないで前に進む。これ以上、悪いことは起こらないでしょう。後は振り返らず今こそ、半歩でも自分の体で進む。

今、なぜか自分にはなかった強さが不思議と湧いてくる。自分は頑張らず、我慢せず、前に進もうと思っている。信じる者は「自分」前に進むのは「自分」強く生き抜く心が、生き抜く道。生き抜いてみます。みんな前に進むことが、復興への道だ。
手をつなごう。


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