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東日本大震災

渡部 茂之  双葉郡浪江町

 三月十一日仕事の合間に一服でお茶のみをしていた。

「地震だ!こりゃ強いぞ!」それでもまだ家の中にいた。余りにも段々と強くなってくるので、裸足で外に飛び出した。外にいてもとても立っていられなかった。早く止まってくれと願いましたが中々止まらなく、そのうち、上から瓦が落ちるやら、地球が壊れたんではないかと思いました。一夜明けた朝、地元の消防団が来て津島に避難するように言われましたのでとにかく避難しよう。

そして、二、三日位で帰れるだろうと軽い気持ちでスリッパで出かけました。八十人位は入れる集会所に行きました。後でわかったことですが、ご飯やおかず、漬物、ストーブの果てまで地元の人たちが用意してくれたそうです。二日もしたら今度は二本松に行くように言われましたが、とてもガソリンが無く、まあいいや、行かれるところまで行こうと思いました。スーパーに行けば食物無い、買いたい物は買えない。まさか避難生活までしようとは、一生のうちでこんな生活をしようとは夢にも思いませんでした。


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